甲冑研究室

甲冑をどのように正確に着用できるのか。そんなことを研究するコーナーです。正確な情報がありましたらどんどんご連絡ください。

大鎧の着用法

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【大鎧完全装備一覧】
●大鎧一式(兜・胴・弓手の篭手・鳩尾板・栴檀板・脛当・貫)●鎧直垂もしくは水干●引立烏帽子●毛抜形太刀(+尻鞘)●脇差もしくは鎧通●軍扇もしくは采配●白小袖●足袋●脛巾●重籐弓(+弦)●箙(+矢)

大鎧の下には鎧直垂か水干を用います。そして引立烏帽子・脇差・軍扇を着用します。
次に足袋を履き、裾をくくり、脛巾(はばき)という布を脛にまきます。そしてその上に脛当を着けます。この時袖も括ります。裾を括る前に弓懸を着用しましょう。
【ワンポイントコーナー】
●引立烏帽子の着用法
●袖の括り方
ここまでは他の鎧と同じですが、ここからか大鎧特有の着用になります。
大鎧は弓手(左)のみに篭手を着用します。Bのように片袖を脱ぐのですが、別に脱がなくても結構です。機動性を重視するのでしたら、Bのように袖を脱いでください。
そして弓手に篭手を着用し、馬手(右)の脇を守る脇盾を着用します。これで大鎧の小具足状態の完成です。
【ワンポイントコーナー】何故弓手のみに篭手を着用するのかは大鎧が用いられた時代背景にあります。大鎧は騎射戦を想定した鎧ですので、いかに弓が射りやすいのかを考慮されています。つまり弓を引く馬手の機動性を良くするためにあえて両篭手にしないのです。
●片袖になる方法
●弓懸の付け方
●脇盾の着用法
さていよいよ鎧の着用ですが、ここからが大変です。脇盾に付いている胴先の緒を通し、調整します。調整がしっかりしていませんと鎧がまっすぐ着用出来ません。
そして弓手に鳩尾板を、馬手に栴檀板を着用します。そして太刀を佩きます。太刀には尻鞘という毛皮の防護鞘を着用することもあります。そして貫という毛皮製の沓を履きます。
【ワンポイントコーナー】鳩尾板と栴檀板は共に鎧の隙間を防護する板です。形が違うのは上記の片篭手と同じ理由です。また大鎧の多くは胸に弦走という鹿革を張っていますが、これも弓の弦がひっかからないようにするための工夫です。

次は矢を収納した箙を着け、予備用の弦を収納する弦巻を着用します。そして最後に兜を被って、弓を持つと完成です。
【胴の紐の付け方】
※大袖は番号順に付けていってください。

【大袖の付け方:@ABC

【鳩尾板・栴檀板の付け方】
【面白大鎧着用法〜よろいのつけ方】
甲冑(当世具足)の着用法

動画はこちら!
まず@のように白小袖(白衣)と襦袢を着用します。
そしてAのように「鎧直垂」という装束を着ます。鎧直垂とは直垂の一種で、通常の直垂とは違い、袖が広がっていない直垂です。
頭には「引立烏帽子」という折烏帽子を着用します。そして小道具として軍扇、脇差(鎧通しでも可)を腰に差します。

【ワンポイント】
●白小袖は筒袖という袖の広がっていないタイプがお勧めです。
●当世具足の場合は鎧直垂でなくとも結構です。作務衣を使用される方も大勢いらっしゃいます。
●引立烏帽子の他に陣鉢を着ける場合もあります。
次に足袋および草鞋を履きます。そして弓懸(ゆかけ)という手袋を着け、鎧直垂の袖の紐をくくります。また裾の紐もくくります。それからハバキという脛を防護する布を巻きます。そして三具(篭手、佩盾、脛当)を着用します。この状態を「小具足」と言います。また陣羽織を着用するとCのようになります。
【ワンポイント】
●篭手は慣例上、左から着用します。
●佩盾の腰の部分に穴があります。その穴から内部に紐を通し、結びます。そうしますと安定感が増します。
●脛当は一度後ろで一重結びをしますと、ほどけにくくなります。
さて次にいよいよ鎧と太刀を佩きます。鎧は腰の紐で固定させます。その前に軍扇と脇差を抜きます。好みにもよりますが、陣羽織を鎧の上から羽織ると格好良いです。
【ワンポイント】
●鎧は座って着用すると楽です。要領はランドセルを背負うようにすると鎧の負担は軽減されます。腰紐を巻く際は鎧を上に持ち上げて結ぶことをお勧めいたします。そうしませんと肩に鎧の重さが負担されます。
●脇差ですが、腰紐を着ける際に着けると良いです。脇差の鞘を×(クロス)させます。腰紐の結びは人それぞれですが、背後で結ぶと脇差が着用しやすいです。
●甲冑一式に付いている飾り紐がありますが、鎧を安定するには不充分です。長めの紐もしくは腰紐を購入しましょう。
最後に兜を被り、完成です!!
【ワンポイント】
●現代甲冑の兜の裏には布が張られていますので、引立烏帽子は脱いで被ります。
●小道具には他に軍配、采配、鞭など多種多様あります。それぞれの好みに合わせてオリジナルティを出してみましょう。

裏頭(かとう/弁慶頭巾)の着用法

兜の緒の締め方
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太刀の佩き方
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「甲冑いろは塾」開設!
このコーナーでは甲冑初心者が陥る間違いをお教えするコーナーです。着用時の参考にしてみてください。
一海図書館
一海の所有する本の紹介です。甲冑や装束の購入や着付けに役立つ資料を集めてみました。

佐吉麻呂の
着付け秘技伝授
三国志衣装の着用法

三国志鎧の着付け方(ここをクリック!!)

皇帝衣装の着付け方(ここをクリック!!)

〈鎧を着けよう!!〉
さて鎧を着用したい、と思っていても簡単には入手できませんし、場所もない。そこでここへ行けば鎧が着用できるところを紹介しましょう!!

@兵庫県立歴史博物館
名城・姫路城の側にある博物館です。この博物館の体験コーナーでは大鎧と十二単が着用できます。ただ着用できるのは1日に3回で、一回ごとに一人しか着用できません。応募人数が多い場合はくじ引きになります。
私は大鎧を着用するべく、3度訪れました。しかし2回とも着用することはできませんでした。そこで高い確率で着用するコツとしては平日の朝一を狙えばいいということです。日曜や午後はお客さんが多いので応募率が高くなるのです。それと特別展示の時も外しましょう。
〈どんな鎧か〉
〈大鎧〉
夢の大鎧尊氏のまね!
〈胴丸鎧〉

形態は大鎧です。九州の甲冑メーカーさんが販売している島津義弘公着用の大鎧(200万ほど)です。鎧直垂と太刀・脇差、実物大模型馬など、『太平記』ファンにはたまらないコーナーです。私は結構わがままを言って、篭手を片手だけに着用させていただいたりと、結構嫌な客でした。おまけに緒の締め方を教えてもらいましたし(笑)
【補足】
大鎧ですが、時期によって胴丸鎧になるそうです。もし希望があるのでしたら、事前に確認を取ることをお勧めいたします。
A鹿児島県歴史資料センター 黎明館
薩摩藩主・島津氏の居城・鶴丸城跡に建てられた大規模な博物館です。ここの体験コーナーで当世具足が着用できます。私が生まれて始めて甲冑を着用した場所です。その後、城山へ行きましたが、心ここにあらず、でした。
〈どんな鎧か〉

空をも飛ぶ気分

形態は当世具足です。九州の甲冑メーカーさんが販売している山本勘助の具足です。付属品は陣太刀、脇差があります。鎧下着はなしです。私が行った時はすぐに着用させてもらいました。

B埼玉県立博物館
大宮市にある有名な博物館です。ここの体験コーナーには大鎧があり、着用できます。そのほか、見たところですが、三領ほど鎧がありました。ただいつも着用できるわけではないらしく、着用体験日があるみたいですので、事前に調べて行った方がいいでしょう。ちなみに私は着用できませんでした。しかしここで「揚結び」という鎧の独特な結び方をマスターしました。
〈どんな鎧か〉
確か畠山重忠が奉納した鎧をリメイクしたものだと思います。小学館のこども歴史百科の中にも掲載されていました。設備は最高で、引立烏帽子から鎧直垂まで揃っています。いつかこのようなセットを手に入れてやるぞおお!!
C仙台市博物館
 仙台城のすぐ近郊にある近代的な博物館です。いつでもというわけではないと思うのですが、伊達政宗の甲冑が着用できるみたいです。あの三日月の前立てがしぶい!!!
〈どんな鎧か〉
上記のままです。『独眼竜政宗』で使用された甲冑と同タイプです。ちなみに同ドラマで使用された秀吉の甲冑も着用できるみたいです。
C香川県歴史博物館→香川県立ミュージアム
高松城のすぐそばにある歴史博物館です。この博物館の体験学習室はバラエティ豊かで、様々な体験が出来ます。大鎧をはじめ、女房装束や琴、烏帽子着用など装束や甲冑初心者にはたまらない博物館です。
〈どんな鎧か〉

光山堂製の大鎧で、造りは当世小札です。受付のお姉さんにお願いすればいつでも着用出来ます。恐らくすぐに大鎧を着用させてもらえるのはこの博物館だけではないでしょうか。ただ着用法がしっかりしていないことと、鎧直垂が特別な時以外着用出来ないことが難点といえば難点です。しかし弓を持たせてもらえますので、その点はカバー出来るかもしれません^^


二回目は直垂などを持ち込みました^^^
D明石市立文化博物館
明石城のすぐ近くにある博物館です。体験会は事前予約が必要で、甲冑の他にも衣冠や十二単もあります。また気さくに着付けをしていただきますので、楽しむことが出来ます^^
〈どんな鎧か〉

光忍作の当世小札胴丸鎧です。背板はありません。太刀と脇差も着用してくれます。ちなみにこの写真の装備ではありません^^;この日持参したのは鎧直垂、白小袖、弓懸、足袋、草鞋、采配です^^
E松山城天守閣
松山城天守閣一階で常時着用出来ます。係員がいませんので最低限知識を持っていた方が良いかと思います。
〈どんな鎧か〉

光忍作の赤桶側と茶桶側の二種類があります。赤はかなりボロボロです。ちなみに上記の画像は晒し布と脇差、弓懸を持参しました^^
F松代・真田宝物館
松代城前にあります真田宝物館内で試着できます。
〈どんな鎧か〉

3分で着替えてみました^^

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