大坂の陣合戦祭2014 その2 2014年10月19日 【画像提供】楠木正勝殿/片矢木様/鹿殿/戦国魂様 |
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大坂の陣合戦祭:シナリオ | ||
●配役 | ||
豊臣秀頼 平知盛 淀殿 116 真田信繁(幸村) 羽々斬 真田大助 富楠 本多忠朝 羽々斬 井伊直孝 羽々斬 徳川勢 羽々斬 毛利勝永 毘毘 後藤又兵衛(殺陣) 真下 黒田長政 忠 徳川家康 蹴鞠 徳川秀忠 兼虎 金地院崇伝 黒入道羅生 松平忠明 ケン ●豊臣 主将/第一陣指揮(薄田隼人正) 一海 第二陣指揮(大野治長) 高橋 明石全登 正臣 木村重成 藤吉郎 ●徳川 主将/第一陣指揮(蜂須賀家政) 迷之介 第二陣指揮(片桐且元) 鹿 島津家久 霜台 藤堂高虎 三光烈火 前田利常 こばっち 淀殿侍女 きのこ きく 芳野 太鼓 矢舞 太鼓補佐 りい |
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【シナリオ】 | ||
(効果音)大砲、鉄砲
(琵琶)演奏の中、きく登場。 きく「はるか…はるか昔。ここ大坂の地にて大きな戦(いくさ)がござりました」 きく、ゆっくりと何事かを思い出しながら歩き、静かに冊子をめくる。 きく「幾筋の涙が流れたことでしょう…。幾多の命が散ったのでしょう・・・。本日はこのきくが見聞きした戦・・・後に大坂の陣と呼ばれた戦についてお話いたしとうござりまする」 (効果音)鉄砲、馬のいななき きく、恐れおののく仕草で武者登場口を凝視する。 太鼓演奏ここからスタート 本多忠朝「はははは!」 本多、走りながら登場。きく、驚いて定位置に。 本多、酒を呑む。 本多「おおっと、いかん。いよいよ最後の大戦ぞ。酒は慎まねば」 本多、瓢箪を仕舞う。 本多「惣堀を埋めた以上、もはや大坂城も裸城よ。徳川家万歳のため、今一度命を懸けるのじゃッ」 本多、舞台より降りる。 (舞台前) ●乱戦1回目
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毛利、追われながら登場。
毛利「城なき今、命を惜しまず、名こそ惜しまんッ。この毛利勝永、戦鬼と化して秀頼君の御前(おんまえ)にてこの命、捧げんッ」 秀頼、淀殿を守りながら、登場。毛利、控える。 ※大野、明石、長宗我部、秀頼を守りながら登場。 秀頼「母君、大事ござりませぬか?」 淀殿(涙声で)「だ、大事ない・・・」 毛利「秀頼君ッ」 秀頼「おお、毛利か」 毛利「豊家(ほうけ)の御名(おんな)を未来永劫に伝えんがため、是非、是非、御出馬いただきますようお願いいたしまする」 秀頼「あいわかった」 淀殿「待ちゃれッ。秀頼君は天下を率いる大事なる御身ぞ。軽々しく戦場(いくさば)に出るなど言語道断。沙汰の限りじゃ」 毛利「・・・致し方ござりませぬ。御意に従いましょう。秀頼君、大方様。我らの命、捧げまする」 大野「方々参ろうぞッ」 三武将、互いに「おう」と返事し、舞台下へ。乱戦準備。 秀頼、淀殿を抱えながら退場。 (舞台前) ●乱戦2回目
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煙幕 毛利、再登場 毛利「おのれ、霧で何も見えぬッ」 黒田「敵将、見つけたり。黒田長政の太刀、しかと受けてみよッ」 (殺陣10秒)毛利、敗れかける。 後藤颯爽と現れる。 後藤「後藤又兵衛、推参ッ・・・む? これは長政様ではござりませぬか」 黒田「そういうそなたは又兵衛」 後藤「かつての主なれど戦場では容赦せぬが礼儀。我が刃で討たれましても、お恨みあるな」 黒田「笑止千万。今日こそそなたに引導を渡してくれる。覚悟せよッ」 (殺陣30秒)又兵衛勝利。 後藤「殿、お覚悟」 後藤、躊躇。 羽々斬:徳川勢、後藤に集中攻撃。 毛利、黒田に向かいながら後藤を介抱。 徳川勢、なおも追い討ち。 (舞台際) 毛利「もはやこれまで。かえすがえすも無念は、かくも霧が濃くなるとは・・・。この霧さえなければお味方も間に合ったものの」 後藤「ははは。これも天命でござるよ。勝永殿」 後藤、黒田を見つめる 「・・・殿、さらばでござる」 後藤笑いながら退場。 黒田「又兵衛・・・又兵衛ーーーーー」 叫びながら退場。 家康と徳川勢登場。 本多「大御所様、天守まであと一息でござりまするな」 家康「うむ。はははは。これで良い、これで良い」 徳川勢、大笑いする。 金地院崇伝「大御所様、勝鬨をなされませ」 家康「崇伝、よくぞ申した」 秀忠「父上ッ」 家康「うむ」 徳川勢、勝鬨。 煙幕 |
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真田父子、登場。 父子背を合わせながら戦い、徳川勢を蹴散らす。 徳川勢、舞台下へ。 戦況を見つめる幸村。 大助「父上・・・。聞き及びまするに・・・秀頼君の御出馬、叶わぬとの由」 真田「左様か・・・」 真田(何かを決意したように)「大助」 大助「はっ」 真田「そなたはこれより城へ戻り、秀頼君をお守りせよ」 大助「何を仰せにられまする。最期まで・・・最期まで父上と共に戦いまする」 真田「たわけッ。賊を防ぎ、君を守るもまた大事なる務めぞ。ないがしろにするでないッ」 大助、涙をこらえ立ちつくす「・・・・・・。」 真田(優しく)「ははは・・・。大助よ。暫しの別れではないか。父は老賊の首を討つ。そなたは君(きみ)を守るのだ。やがて再び地下で会うことが出来よう。真田の名を青史(せいし)に残そうぞ」 大助頷き、泣きながら城へ向かって走る。 真田、大助を見送った後、正面を向き決意。 「狙うは―家康が首、ただ一つ」 真田、槍を頭上で回転。 「諏訪大明神、我に力を与えたまえッ」 蹴散らされた徳川勢、再び舞台に。 家康、軍勢の中から登場。 家康「おのれぇぇぇ、真田の小童ッ、どこまでも邪魔立てしおって・・・」 家康配下、家康を守る。 真田、徳川勢を睥睨し、徳川勢一歩引く。 真田「遠からん者はその耳で聞けィ。近からん者はその眼(まなこ)でしかと見よ。我こそはーー真田信繁なりッ」 真田、槍を振り回し大笑いする。 真田「ははははは。さてもさても―。御敵(おんてき)に一人の男子(おのこ)なし。己(おの)が胸中に一寸の勇(ゆう)あらば、この信繁に刃(やいば)を向けてみよ。おらぬのか、おらぬのか。徳川には命を惜しまず名を惜しむ武士(もののふ)は誰もおらぬのか?」 殺陣(3分) 真田(勝)対本多(負) 真田(勝)対徳川多数(何度も蘇る) 真田、家康近習を蹴散らす。 家康、巧みに槍を掴むが、真田に振り払われる。 真田「家康、冥途の土産にそなたの首を貰い受ける。覚悟は良いか」 家康「あと一歩で天下の泰平を勝ち得たと申すに・・・。真田如きに我が大望を阻まれようとは・・・無念、無念じゃッ」 秀忠「父上ーーー」 真田がとどめを刺そうとした瞬間、本多が庇い、討ち死に。 家康「忠朝、忠朝ーーーー・・・・・・」 真田「邪魔立ていたすな!」 止めを刺そうとした瞬間、井伊が登場。 井伊「井伊掃部頭(かもんのかみ)直孝、参る」 真田「直政の倅かッ」 殺陣(15秒) 疲れ果てた真田、適わず。 真田槍を杖に息を乱す。 真田「はあはあ。何とも・・・運の良い奴。赤鬼の血を引くものか否か―我が最期の力にて、しかと見極めてみせようぞ」 殺陣(30秒) 井伊、勝利。 徳川勢にめった刺しにされる。 真田「よう・・・よう戦うた。我が生涯に・・・一片の悔いもなし」 真田、拳を天に挙げる。 徳川勢、再び刀でめった刺しにしながら真田と共に退場。 煙幕 家康、秀忠の肩に掴まり「危ういところであった。もはやあのような武者は世に現れまいて・・・」 家康、側近たちに支えられながら退場。 煙幕 (舞台前) ●乱戦3回目
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きく(na)「時は過ぎ、戦いに戦い抜いた方々は次々と討ち死に。荘厳であった天守閣も焼け落ち、追い詰められた秀頼君と淀の方様は山里郭へとその身を寄せたのでござりまする」
秀頼、淀殿を支えながら二人のみ登場。 秀頼「母上、母上」 淀殿「秀頼・・・秀頼」 秀頼、周囲を見回す。 秀頼「周りは敵だらけ。もはやこれまでにござりまする」 淀殿「何を申す。まだ、まだ・・・」 秀頼「いいえ・・・」 秀頼立ち上がる。 秀頼「豊臣恩顧の者たちはことごとく討ち死に。城もここ山里郭を残すのみ。これ以上逃げ延びるは武門の恥というものでござりましょう」 淀殿(力ない声で)「・・・秀頼・・・」 秀頼「は・・・」 淀殿「妾(わらわ)は間違っていた」 秀頼「何を仰せか」 淀殿「妾は夢を見た。太閤殿下は仰せであった。大坂はきっとこの世すべてを繋ぐ要になると・・・。その夢をそなたにしかと遺してやりたい―そんな夢をこの母が抱いたばかりにそなたを地獄の道へと誘い込んでしもうた。愚かな母を許してたもれ・・・すまぬ、すまぬ・・・」 秀頼(笑顔で)「ご案じなさりまするな。父上と母上がご覧になられた夢はしかとこの身体(からだ)に流れておりまする。その夢と共に冥途へ参りましょう、母上。それに・・・」 秀頼、大きく観客を見渡す。 秀頼「豊臣は滅びましょう。・・・しかし太閤秀吉公が開かれたこの大坂は我らが滅びても、変わることなく栄え続けましょう。きっと百年、二百年・・・いや四百年と、大坂に住まう者たちが育んで参りましょう」 淀殿「四百年・・・」 秀頼「はい。きっと・・・」 淀殿「そうじゃな。きっと大坂に住まいし者たちが我らの夢を紡いでくれよう・・・。きっと、きっと・・・」 秀頼、ゆっくりと扇を広げる。 秀頼「この秀頼、更なる大坂の興隆を祈り、命と共に、ひとさし舞を献じましょう。新たに大坂が開く門出を祝って・・・」 琵琶演奏 秀頼、剣舞または扇舞(1分) ラストは扇から紙吹雪を舞わす。 左右から雑兵たちが旗で幕を引き、煙幕。 その間、秀頼親子退場。 |
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きく(na)「慶長二十年夏。こうして豊臣家は滅び、百年以上続いた戦乱の世に幕が降りたのでござりまする」
家康、忠明、舞台に登場。 家康「終わったのう・・・。終わったのう」 家康、目頭を押さえる。 家康「以って万世(ばんせい)のために泰平を開かんと欲するための戦であったが・・・。忠明(ただあきら)よ」 忠明「はっ」 家康「我らは豊臣を滅ぼした。だが・・・大坂は滅ぼしてはならぬ」 忠明「はっ」 家康「そこでお許(こと)に大坂の守護職を任ずる」 忠明「はっ」 家康、手にした鞭を手渡す。 家康「これは長年わしが愛用し続けた寒竹(かんちく)の鞭。それをもって見事大坂を復興せしめよ」 忠明、鞭に拝礼。一歩前へ。 忠明「この松平忠明、身命を賭して百年、二百年、いや四百年と続く大坂を築いてみせまする」 甲冑武者たち、舞台と舞台前に全員集合。 家康「大坂の更なる興隆を祈って勝鬨じゃ!」 真田「我らの志が永遠(とわ)に続かんことを!」 秀頼「皆と共に更なる四百年の繁栄を目指して!」 薄田、アドリブで勝鬨の説明。 忠明「勝鬨じゃ!」 一回目:家康 二回目:真田 三回目:秀頼 忠明「いざ!!」 退場。 琵琶演奏 きく、立ち上がる。 きく「さらなる四百年。大坂か栄えるか否かは―ここに集いし皆様方、そして大坂に住まう方々次第。しかしわたくしは信じておりまする。きっときっと素晴らしき大坂を築き続けてくれるものと信じまする」 きく、一礼し退場。 |
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会場を進み、いざステージへ。 ステージに入りますと、顔見せも兼ねてぐるっと観客の方の前を行軍。 粛然と陣形を整えます。
そしていよいよ舞台開始です。
ここまで来ればあとは皆さんにお任せするだけ。私は本番中は乱戦指導以外は楽しく拝見させていただいておりました^^
さてシナリオについてです。 シナリオを執筆するにあたって心がけたのは次のポイントです。
1:バットエンドにしない。 大坂の陣は豊臣家滅亡です。ですのでバットエンドです。もちろん意味なくハッピーエンドにするつもりはありませんでした。 当初からあったのは「次なる四百年」。 現代の大阪の基は実は大坂の陣後の大坂復興にあります。もちろんその原型は太閤さんでありますが、町人たちが中心となる大坂は四百年前に始まるのです。 十年間の活動で抱いてきた私の不満なんですが、とにかく大阪でイベントを契機に町おこしをしたくとも出来ないことにありました。その原因はかつて大坂人が持っていた「自分たちの街は自分たちで作っていく、守っていく」という精神が極めて弱くなっていることだと感じています。 「イベントなんてやっても損や」「補助金くれ」「誰かうちの街盛り上げてくれ」「行政金出せ、人出せ、アイデア出せ」といった声や雰囲気があり、がっかりきておりました。 かつて天下の台所と呼ばれ、日本の商都であった大阪を盛り上げ、そして次なる四百年に繋げたい―それがこのシナリオに込めた想いでした。 そのため極めて知名度が低い松平忠明公をラストに出させていただきました。 ・・・もっとも私のデビュー作『大坂誕生』の主人公をばっちり出演させたかったのですが^^; とにもかくにも次の時代へ繋ぐ、という重要な忠明公役にケンくんを選抜しましたのは、私の想いがあったからです^^ 某大尉(大佐)の台詞にありますように新しい時代を造るのは老人ではないのです^^
2:それぞれの特技 中枢には特技をお持ちの方を起用させていただきました。 ●秀頼公:まさにキーポイントです。知盛さんにはあの手この手で強引に来ていただきました^^;ですが、秀頼公を演じられる・・・いや演じていただきたいのは知盛さんだけでした。 結果は・・・もう感動ですよ^^ 甲冑製作しんどかったという思いもあったのですが、陽光に煌く秀頼公を見て感激しておりました^^ ●淀殿:幸村博からの続投で116さんに。・・・彼女、めっちゃ凄かったですね^^淀殿が憑依しているかのように迫真の演技をされておりました! ●家康公:笑い担当・・・ではないですよ^^蹴鞠さんの家康は万華鏡のようで、愛嬌のある(?)悪役だけでなく、ラストは大坂を想い、託された名君も演じていただきました^^ ●大助公:よくよく考えてみれば富楠さんは私と同じ歳だった・・・なんてことを忘れてしまうほど(?)若々しい大助役を演じていただきました^^ ●羽々斬さん:今回も素晴らしい殺陣でした。幸村公最期のシーンも素晴らしかったです。・・・本多忠朝公の酔いぷりもさらにパワーアップいたしておりました^^ ●長政公/又兵衛公/勝永公:こちらの殺陣パートは真下さんに依頼いたしました。長年のノウハウで見事、黒田主従の別れを演じていただきました。なぜ黒田主従か、って?当然大河ですよ、大河^^ ●おきく:今回のシナリオの設定は『おきく物語』を記したおきくさんの回想という形を取っています。おきくさんは大坂の陣で生き残った女性で、その体験談を遺しています。おきく役には芳野さんにお願いをし、手製の『おきく物語』を小道具として製作していただきました。 ●乱戦部隊:乱戦部隊ですがいずれも甲援隊士ばかりです^^迷之介さんと私は主将、副将は高橋さんと鹿さんです。いつも私のムチャぶりに耐えてきた方ばかりですので、見事指揮を執っていただきました。 ●各将:希望者、または私のリクエストでお願いいたしました。津のこばっちさんには前田利常役をお願いしました^^・・・一つ不満だったのは・・・鼻毛の長さが短かったことです^^ ●音響:忘れてはならないのは音響。矢舞さんとりいさんの太鼓、そして充正さんの法螺貝。矢舞さんと充正さんも長年に亘る私のムチャぶりに耐えてきた猛者ですので、ばっちりでした^^ ●和尚の光:違う意味で輝いていただいたのは和尚(羅生)さん^^びっくりしたのは法螺貝をマスターされていたことです。・・・でも和尚にも一つ不満が・・・。絶対台詞とちると思って期待していたのに・・・見事に役をこなしていただきました^^うーん、くそ、素晴らしい^^ ●煙幕:全般的にも援助していただきました援軍山さんのご助力をいただきました。忍者ショーで慣れておられ、煙幕を効果的に使っていただきました。
・・・と一人一人素晴らしかったのですが、誰もが心を一つにして演じていただきました結果、来客の皆様に喜んでいただける内容になったのではないかと思います。 何でも涙してくれた方や、よくやってくれたと声をかけていただいたそうです^^
こうして本番が終了しまして、昼食のためブースに凱旋いたしました。 |
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