手作り甲冑奮闘記

今年2013年は大学時代、中国語の先生とお会いして20年目となります。中国語の先生には毎年夏には御自宅に泊めていただり、中国旅行でお世話になっておりますので、感謝の念を込めまして兜を一頭お贈りしようと考えました。

その兜製作のついで(ついでになってないけど^^;)に色々と作っちゃおうということになりました。

兜は夏まではシークレットですが、中々良い感じに仕上がっております。映画の宣伝で言えば「製作絶好調!」という字幕が出る感じです(どんな感じやねん^^;)
春の陣ではウェブ公開禁止ですが、途中経過を朋月さんや幽霊雑兵さん、本間さんにはお見せしたいな、とは考えています。

さてついでは何を作るのか。
黒糸縅切付小札胴丸具足です。
この甲冑に色々とバリエーションを付けてやろうかと考えています。
いつもながら一海の甲冑作り(購入)はパフェのように色んなものをくっつけております。

とりあえずバリエーションとしては
@尼子経久
A源為朝
B弁慶
C石田三成…?
を考慮しています。
【小板作り】

・型となる小札見本製作
・切り出し
・型でひたすら小札を書き込む
・彫刻刀で札頭を切る
・表面を穴空け
・境目を千枚通しで線引き
・裏から穴通し(袖やしころなど裏が見える部分は裏側も線引き)
とここまでは今まで通りですが、今回は一つ手間を増やしました。
小札頭が荒いのが不満でしたので、彫刻刀の刃を裏向けにして頭を滑らかにしてみました。

そして白い紙の上で形をハサミで整えます。
このやり方はある前立の切り口を滑らかにするために発見したのですが、結構良い感じになります。…しんどいですけど^^;;
【胴】





























胴丸ですので1枚で通したかったのですが、長さが足りず、一ヶ所本小札にいたしました。
要はジョイント部分のみ本小札にしてみただけです。
【金具】





【草摺】

地味ーに切り出しをしました^^ ニュースや三国志を聞きながら、ひたすら切り出しです。

形を整えるため、小札に心棒を編み込みます。
素材は竹、紐は紙紐を使用します。
この素材ですとよりリアルになりますので、今回も使用いたしました。
編み込んだ後はボンドでコーティングです。
しかしこの作業が…ホントしんどいです^^;;


胴丸の胴部分です。
途中、腹当か胴丸の部品かよくわかんなくなってしまいました^^;;
【大袖】






今回は胴丸ですので、大袖も作っています。大袖は今回で三回目ですが、完成度を高めたいものです。
【当世袖】






当世小袖も製作しています。
【喉輪】







さて今回新しく発見した素材があります。
それは…
「自遊自在」
http://nippoly.com/n/jiyu.html

針金細工用のカラー針金です。覆輪に使います。
もっとも使うのはこの商品自体ではなく、針金を蓋うビニールホースです。
この素材の利点は次の通りです。

@カラーコーティングされている
普通のビニールホースでも良いのですが、色具合的に安定感がありませんでした。このホースのゴールドとカラス(黒)は理想的なカラーです。
A針金が便利
要はホースに針金を通してカッターで切れば良いだけの話なのですが、針金があるため加工がしやすいです。
B接着がラク
ポリプロピレン対応の接着剤でしたらかなりしっかり付きます。ですので朋月工房の甲冑にはもってこいだと思います^^
C太さが理想的
サイズが色々ありますので、使いやすいです。

ちなみに接着剤は要点でちょっと付けるのがコツです。
また接着剤がはみ出ましたら、自転車のパーツクリーナーで綺麗に取れます。うーん、自転車屋らしくなってきたな〜(←どこが??)
【鉢】
作業用ヘルメットを使用します。
バーナーを使ってみました。初めてのバーナーでしたので2個メットをオシャカにしてしまいました(涙)
【しころ】




延々と切り出しです^^
【八幡座】

特筆すべき部分です。
本物の構造をどこまで再現出来るか考え製作しました。
軸は自転車屋らしく(?)、自転車梱包時にハブナットを保護するプラスチック剤を使用しました。
周辺は千枚通しで彫って製作しました。
【前立】






我ながら自信作です^^
一海家は日蓮宗ですので、題目を前立にしました。
ネットで題目を印字し、写してみました。丸みを出すために彫刻刀で角を押しつぶしていきます。

モデルは『葵徳川三代』の島左近の前立です。島左近は「南無阿弥陀仏」でしたが、そこは一海アレンジです。
…これを製作した年に島左近役の夏八木さんがお亡くなりになったことに、ちょっと運命的なものを感じます…。
【三具】




















色塗りの前に三具も切り出します。
今回は四角すいを作ってみました。


まず切り出し、その後、晒し布をボンドで二回コーティング。
数が多く、かなり時間を要しました。

手甲も研究してみました。


作り方はまず切り出しします。
そして凸部分は竹棒を貼り付けます。
何だか小学時代に作ったベアークロー状態です^^コーホー。
この上から晒し布を二重ボンドで貼り付けます。

さらに瓢部分も同じ工法で再現チャレンジしてみました。
まず三枚切り出しです

うーん、前方後円墳^^
切り込みを入れて丸みをつけます。

このパーツを貼り合わせ、晒し布をボンドコーティングします。
その上から紙紐を貼り付けて完成です。
【組立】




















前ページへ戻る