甲援隊とは・・・

●甲援隊の歴史

 甲援隊のそもそもの始まりは私のサイト『一海の時代劇なりきり教室』のオフ会です。そのオフ会を繰り返すうちに交渉上、隊を名乗る必要が出てきました。その隊が「壱海甲冑隊」です。 ただ甲冑隊と言っても甲援隊のように組織化はされておらず、参加人数も6〜7名程度、開催場所も池田城などで、どこまでも「オフ会」の域を脱していませんでした。
 その壱海甲冑隊の活動を二年ほど経ちますと仲間も増え、正式な甲冑隊を組織することになりました。それが「甲援隊」です。
 そして年を経るごとに隊としての形やスタッフも揃い、現在のように様々なイベントに参加するに至りました。
●甲援隊の根っこ

 私が考える甲援隊の「根っこ」はただ一つです。同じ甲冑好きの仲間が集まり、楽しく過ごすこと。「根っこ」はただそれだけなのです。
 しかし楽しく過ごすにしても場所が必要となってきます。家の中でのんびりとすれば良いのですが、やはり甲冑を着用するのですから色んな史跡やお城などで活動してみたくなります。
 その場所を確保するにあたって考えなければいけないのは先方への配慮です。
 「自分たちだけが楽しければ良い」という考えではどこも快く場所を提供はしていただけません。先方に喜んでいただく配慮として催してきたのが武者行列であり、更にそれらを発展させた演武式や寸劇などです。
 同じ催すならば真剣に毎回ちょっとずつで良いので工夫して成長していくよう行動していくうちに現在のような大掛かりなイベントへと成長していきました。その工夫の一つが甲冑体験であり、チャンバラ体験会などがあります。
 今でこそ甲援隊は色んな所から声をかけていただいていますが、地盤を持たない団体であることに変わりはありません。一回一回のイベントを大事にしていかなければ甲援隊のような団体は活動出来なくなってしまいます。
 とにもかくにもどんなにイベントが大きくてもこの「根っこ」があるからこそどんなに大変でも楽しくやってこられました。また今までの「配慮」があったればこそ色んな舞台で活動することになってきたこともお忘れのないようにお願いしたいものです。
●甲援隊の精神

 甲援隊の精神は「ギブ&テイク」。何かをしたいのであればまず自分から動いてみてください。
「良いことをするのだから他人がするのは当たり前」ではなく「良いことだから自分一人でもやる。そして他人が力を貸してくれるのはありがたい」という気持ちを持っていただければ、と願っています。
 こだわりを持つことは大事なのですが、こだわりを貫くためには他人との協調が必要不可欠だと考えています。また自分の勝手な行動が甲援隊だけではなく甲冑武者全体に迷惑をかけることになるかもしれないこともしっかりと認識していただければ、と願っております。
●なぜ組織化をするのか?

簡単に言えば私と副長の二人ではやっていけないからです。
人が集まれば必要なのは組織です。ただ勘違いしていただいて困るのは上下関係を作るための組織化ではなく、全員が楽しく過ごすため効率よく動くための組織だと考えてください。
●隊士としての義務

 隊士として最低限の義務は自分のことは自分でし、少なくともわがままは言わないということです。シナリオや連絡事項はしっかりと把握・管理し、自分一人のことで隊や先方に迷惑をかけないよう心掛けていただければと願っております。あとは楽しく過ごしていただくのも隊士としての責務の一つなのではないかと考えています。
 隊士は評定衆の部下でもなければお客様でもありません。ポジションこそ違いますが、同じ甲冑・装束好きの仲間です。ですので会費を取ってきませんでしたし、これからも取るつもりはありません。
ちなみに背旗や袖章を購入していただくのは、仲間としての自覚を持っていただきたいためです。
●柳営府としての責務

 柳営府も一般隊士も原則的には権利と義務は同等なのですが、それでも中心になって引っ張っていく以上は一般隊士以上のことを期待されてしまうのはやむをえないことです。 例えば兜体験などのサービスイベントを積極的に手伝ったり、準備なども可能な限り手伝うなどは強制ではないものの、協力していかなければやはり非難の対象になると思います。
 ただ柳営府と言えども自分の生活を犠牲にしてまでの活動は求めていません。柳営府の活動はボランティアですから可能な限りで結構です。それは隊長である私も同じです。
 柳営府の選定基準ですが特技は関係ありません。あくまで隊全体のことを考え、行動されるかが基準です。どんなに卓越した技術や経験、素晴らしい甲冑を持参されていても自分のことしか考えない方は選定されることはありません。
●規律について

 規律などはただひとつです。
 「社会人としてのマナーを守ること」
 これだけで充分です。しかし人が多くなりますと色んな方がいらっしゃいますのでやむなく規律を作っています。規律は出来る限り少なくしていき、全員が不文律をもって社会人としてのマナーを守っていく隊にしていきたいと思います。
●みんな楽しく

 色々と書きましたが、参加者・主催者・観客全てが楽しく過ごすことが大事だと考えています。そのためには自分を律し、他人に優しくなければいけないと考えています。
 甲援隊をまとめているのは私ですが、率いているのは一人一人の「やる気」と「行動」なのです。
 これから甲援隊がどのように動いていくのか・・・私自身に特にビジョンがあるわけではありません。面白い話があれば受けていきたいですが、それでも隊士全員から「ノー」と言えばそれまでです。
 大きくなるのもよし。小さくなるのもよし。私自身はこのスタンスを保ち続けますのでずっと楽しく、そして楽しませていく活動をしていくつもりです。そんな私と甲援隊を盛り上げ、かつご自身も何かをやってみたいとお考えいただくのならまた大きな成長を遂げると思います。